AIは、言葉にする前のメモを一緒に整える道具
AIの話をすると、どうしても「何を聞けば、正解を出してくれるのか」という方向に行きがちです。
でも、普通の仕事の中で一番困るのは、正解そのものよりも、その前の段階ではないでしょうか。頭の中には何となく考えがある。伝えたいこともある。けれど、文章にしようとすると手が止まる。相談しようとしても、何から話せばよいかわからない。
私は、AIはこの「言葉になる前」の段階で、とても使いやすい道具だと思っています。
きれいな文章を頼む前に、メモを渡してみる
たとえば、セミナーの企画を考えるとします。いきなり「良いセミナー案を作って」と頼むより、まず自分の中にある断片をそのまま書き出します。
- AIに詳しくない人向けに話したい
- 専門用語はできるだけ使いたくない
- 仕事で今日から試せる内容にしたい
- 押しつけではなく、少し安心してもらいたい
このくらいのメモで十分です。そのうえでAIに「このメモを、話す順番に並べてください」「足りない視点があれば教えてください」と頼んでみる。すると、頭の中で散らばっていたものが、少しだけ見える形になります。
AIは、自分の考えを代わりに決める相手ではない
ここで大事なのは、AIに全部を任せないことです。AIが出してくる言葉は、あくまでたたき台です。自分の考えと違うところもありますし、少し立派すぎる表現になることもあります。
だから最後は、自分の言葉に戻す必要があります。
これは、日記や記録に近い感覚かもしれません。毎日の出来事を記録しておくと、あとから自分の考えが見えてくる。AIも同じで、こちらが小さなメモを出すことで、考えの輪郭を見やすくしてくれます。
まずは三行メモからでいい
AI活用というと、何か大きな改革のように聞こえることがあります。でも、最初の一歩はもっと小さくていいと思います。
相談メールを書く前に三行メモを整理する。会議で話す前に、言いたいことの順番を並べてもらう。ブログを書く前に、見出しの候補を出してもらう。
その程度の使い方でも、白紙の前で止まる時間はかなり減ります。
AIは、特別な人だけが使うものではありません。普通の人が、普通の仕事の中で、自分の考えを少し整えるために使える道具です。セミナーでも、そんな小さな使い方から一緒に試していけたらと思っています。

