AIは、むずかしい道具ではなく、言葉を整える相棒です
AIを「すごいもの」として話しすぎない
AIの話をすると、どうしても新しい機能や専門用語から入りたくなります。けれど、AIに詳しくない方にとっては、「結局、自分の仕事や暮らしにどう関係するのか」がいちばん大切です。
私は元エンジニアなので、仕組みを知ることのおもしろさもよくわかります。ただ、会社の現場やセミナーでまず必要なのは、AIを怖がらずに触れるための入口です。今日は、その入口を少しやさしく考えてみます。
AIは、考えを代わりに決めるものではない
生成AIは、こちらが入力した言葉をもとに文章や案を返してくれます。便利ですが、何でも正しく決めてくれる機械ではありません。
たとえば、会議のメモを整理するとき。AIに「この内容を3つにまとめて」と頼むと、読みやすい形にしてくれます。でも、どの意見を大事にするか、誰にどう伝えるかを決めるのは人間です。
私はここが大事だと思っています。AIは判断を奪う道具ではなく、判断する前の散らかった言葉を整えてくれる相棒です。
普通の仕事で使うなら、まず3つで十分
最初から高度な使い方を覚える必要はありません。まずは、次の3つだけで十分です。
- 長い文章を短くまとめる
- 伝えたいことを、相手に合わせて言い換える
- まだ形になっていない考えを、箇条書きにしてもらう
たとえば、お客様への案内文を作るときに「やわらかく、でも失礼のない文にして」と頼む。セミナーの企画を考えるときに「初心者がつまずきそうな点を挙げて」と聞く。これだけでも、仕事の準備はずいぶん楽になります。
記録がある人ほど、AIを使いやすい
AIを使っていて感じるのは、日々のメモや記録がある人ほど、AIとの相性がよいということです。頭の中だけにある考えは、AIにも渡せません。短いメモでも、過去の企画案でも、写真に添えた一言でも、言葉になっていれば材料になります。
60代になってからの仕事でも、記録は大きな力になります。経験をそのまま昔話にするのではなく、今の人に届く言葉へ置き換える。その作業をAIが手伝ってくれます。
AIは、まず小さな相談相手として使う
AIを導入するというと、大きな仕組みを作る話に聞こえるかもしれません。でも最初の一歩は、もっと小さくてかまいません。
「この案内文、わかりにくいところはある?」
「この説明を、小学生にも伝わる言葉にすると?」
「この会議メモから、次にやることだけ抜き出して」
そんな相談からで十分です。AIを特別な人だけの道具にしないこと。普通の人が、普通の仕事の中で、少し楽になる使い方を見つけること。これからのセミナーでも、私はそこを大切に伝えていきたいと思っています。

