AIに頼む前に、一行メモを残してみる

AIに頼む前に、一行メモを残してみる

「AIを仕事に使いたいけれど、何を入力すればよいかわからない」

そういう声をよく聞きます。
これは、とても自然なことだと思います。

AIは便利な道具ですが、こちらの頭の中をそのまま読んでくれるわけではありません。
むしろ、言葉にした材料を受け取って、それを並べたり、比べたり、別の形に整えたりするのが得意な道具です。

だから最初の一歩は、立派なプロンプトを覚えることではないのかもしれません。
仕事のあとに、一行だけメモを残す。
そこからで十分だと思っています。

たとえば、問い合わせ対応のあとに、

  • お客様は価格より納期を気にしていた
  • 説明資料のここで少し迷っていた
  • 次回は最初に事例を見せた方がよさそうだ

このくらいの短いメモでいいのです。

人間だけで仕事をしていると、この小さな気づきは流れていきます。
忙しい日なら、夕方にはもう忘れているかもしれません。

でも一行でも残っていれば、AIに渡すことができます。

「このメモをもとに、次回の説明の流れを整理して」
「似た問い合わせが続いているので、共通点を出して」
「お客様向けのやさしい説明文にして」

こう頼むと、AIは急に仕事の相棒らしくなります。
何もないところから魔法のように答えを出すのではなく、こちらが残した記録を材料にして、考える前の下ごしらえをしてくれるのです。

私は、AI活用の本質は「人間の認知負荷を下げること」だと考えています。
全部をAIに任せる、という話ではありません。

集める。
並べる。
比べる。
言葉にする。

このあたりをAIに手伝ってもらう。
そして最後に決めるところは、人間が持つ。

この分け方をすると、AIは急に身近になります。

会社の中には、すでにたくさんの小さな記録があります。
メール、議事録、問い合わせ、営業メモ、日報。
それらを完璧に整える必要はありません。

まずは一行でいい。
「今日、何が引っかかったか」
「相手は何に困っていたか」
「次に同じ場面が来たら、何を先に出すとよさそうか」

この程度の記録が残るだけで、AIに渡せる材料が増えます。
材料が増えると、仕事の見え方も少し変わります。

AIセミナーでも、私はいきなり難しい機能の説明から入るより、こうした日常の一行メモから始めたいと思っています。
普通の人にとって大事なのは、AIのすごさを知ることより、自分の仕事のどこで頭が少し軽くなるかを感じることだからです。

もし社内でAI活用を考えるなら、最初のテーマは大きくなくていいと思います。

まずは、ひとつの仕事を選ぶ。
その仕事のあとに、一行メモを残す。
そのメモをAIに渡して、次の一手を整理してみる。

小さいですが、続けられる入口です。
そして続けられるものは、やがて会社の中の大事な知恵になっていきます。

Willow38では、AIツールの使い方だけでなく、「どの仕事をAIに渡し、どこを人間が判断するか」という整理から、相談やセミナーをご一緒しています。

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