高齢化した地域ほど、デジタル利用は少ないのか|AIと公共データの実験室 #19
「高齢者はデジタルが苦手」
よく聞く言葉だ。でも、年齢だけで決めてしまってよいのだろうか。
市町村別のスマホ保有率やインターネット利用率は揃わない。そこで今回は、2020年国勢調査をインターネットで回答した世帯の割合を、限定的な手がかりとして使った。
高齢化率とネット回答率には関係があったのか
相関は -0.672。高齢化率が高い地域ほど、インターネット回答率が低い傾向だった。
一方、人口密度との相関は 0.701。年齢だけでなく、都市性や通信環境、世帯構成、行政の案内方法なども重なっている。
地域差はどれくらいあったのか
白岡市54.2%が高く、東秩父村22.0%、小鹿野町25.3%などは低かった。
しかし、この数字は日常のデジタル能力を測ったものではない。一度の国勢調査をオンラインで回答したかどうかだ。
スマホを使えても紙で回答した人はいる。家族が代わりに入力した世帯もあるかもしれない。
本当に必要なのは「使える人を増やす」だけか
デジタル化は便利だ。でも、画面の文字が小さい、手順が長い、パスワードが分からないとなれば止まってしまう。
- 紙や電話の選択肢も残っているか
- 家族以外に聞ける場所があるか
- 一つの画面で手続を終えられるか
- 災害時にも情報が届くか
使う側だけに努力を求めるのではなく、サービスのほうが人に近づく必要もある。
今回見えたこと
デジタル格差を、年齢だけの問題にしない。
通信環境、画面設計、相談先、紙の選択肢まで含めて「利用環境」なのだと思う。
よくある疑問
相関-0.672なら高齢者はネットを使わないのですか
そうは言えない。世帯単位の国勢調査回答率であり、個人の利用能力ではない。
ネット回答率はデジタル化の評価になりますか
限定的な手がかりにはなるが、自治体のデジタルサービス全体は評価できない。
次に何を調べますか
年代別スマホ利用、通信環境、オンライン手続数、相談支援を調べたい。
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