13のデータを重ねると、埼玉県の自治体はどう分かれるか|AIと公共データの実験室 #20

 

#01から、高齢化率に人口、医療、交通、買い物、住宅、所得などを一枚ずつ重ねてきた。

 

第20回では、13の指標を同時に使い、埼玉県63市町村を「似た特徴を持つ5グループ」に分けた。

 

これはランキングではない。どこが上か下かではなく、地域ごとに違う次の一歩を考えるための地図だ。

 

5つの類型はどう分かれたのか

 

 

 

  • 高密度・国際都市型:8自治体
  • 都市近郊・人口流入型:16自治体
  • 山間・高齢化型:8自治体
  • 郊外・自動車生活型:13自治体
  • 地域拠点・混合型:18自治体

 

分類には高齢化率、人口増減、人口密度、公共交通、自動車、買い物、医療、所得、財政、商業、高齢者就業、外国人割合、ネット回答率を使った。

 

各グループにはどんな特徴があるのか

 

 

 

高密度・国際都市型は、川口市、草加市、八潮市、戸田市など。人口密度と外国人割合が高く、高齢化率は低めだった。

 

都市近郊・人口流入型は、さいたま市、所沢市、越谷市、上尾市など。人口増加、公共交通、所得、ネット回答率が比較的高い。

 

山間・高齢化型は、秩父市、小鹿野町、東秩父村など。高齢化と人口減少が進み、密度が低い。

 

郊外・自動車生活型は、熊谷市、深谷市、加須市など。自動車利用が暮らしの土台になっている。

 

地域拠点・混合型は、春日部市、久喜市、飯能市など。都市と郊外の特徴が混ざり、一つの言葉で説明しにくい。

 

分類すると何がよくなるのか

 

高齢化率が同じでも、必要な対策は違う。

 

人口密度が低く車に頼る地域なら、免許返納後の移動が大きな課題になる。

 

都市部なら、住宅費、多文化対応、高齢単身世帯への支援が重要かもしれない。

 

似た自治体同士なら、うまくいった交通や買い物支援を参考にしやすい。

 

分類を信じすぎてはいけない

 

今回の5分類は、選んだ指標と分類数によって変わる。

 

自治体内にも駅前、団地、農村、山間部がある。市町村を一色に塗ると、その違いが消えてしまう。

 

分類名は結論ではなく、対話を始めるための仮の付箋だ。

 

今回見えたこと

 

同じ高齢化でも、地域によって必要な備えは違う。

 

20回の分析で見えてきたのは、一つの数字で地域を決めつけないことだった。

 

自分の地域がどの型に近いか。その型の中でも、どこが違うか。

 

そこから、次に見るべきデータが決まってくる。

 

よくある疑問

 

AIが自治体を評価したのですか

 

評価ではない。13指標の似方を機械的にまとめ、人が読める仮の名前を付けた。

 

5分類が正解ですか

 

唯一の正解ではない。分類数や指標を変えれば結果も変わる。

 

自分の自治体の課題が分かりますか

 

候補は見えるが、自治体内の地区差や住民の実感を確認する必要がある。

 

次は何をしますか

 

500m人口メッシュや生活圏を使い、市町村内の違いを調べたい。

 

 

出典:各回で使用した総務省統計局、埼玉県、厚生労働省、国土交通省、農林水産政策研究所等の公的データ。指標一覧と年次は研究ノートに記録。

 

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分析グラフ

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